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紅茶

【超基本】紅茶の種類|特徴の違いや相性のいい飲み方とは

ダージリンやアッサム、アールグレイなど、紅茶の種類はさまざまです。そんな紅茶について「結局何が違うの?」「どれが一番おいしいの?」と疑問を抱いている方も多いでしょう。そこで、この記事では紅茶の種類や特徴などについて、詳しく解説していきます。

紅茶は、種類ごとの特徴を知っておくだけでより美味しく味わえます。それぞれの銘茶に合う飲み方もあるので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。

世界三大銘茶|まずは知っておくべき紅茶の種類

紅茶は世界各地、さまざまな種類があります。中でも、以下の3種類は世界三大銘茶と言われています。

銘茶特徴
ダージリン強い癖がなく、やさしい渋み。新鮮な果実のような爽やかな香りが特徴。
ウバミントのような爽快感のある香りと独特な渋みが特徴。
キームンやさしくまろやかな甘みとバラのような甘い香りが特徴。


ダージリンは日本人にもなじみがありますが、ウバやキームンなどは聞いたことがない方も多いのではないでしょうか。世界的には3つとも有名ですが、世界三大銘茶という呼び方も日本独自の文化であって、そこまで浸透していないのが現状です。

品質の高さや味わいなどから国際的に高い評価を受けている銘茶ではありますが、呼び名に惑わされることなく自分の好みに合う紅茶を探してみてください。

ダージリン(インド)

日本のカフェでも見かけることの多いダージリン。強い癖がなく、新鮮な果実のような爽やかな香りを持つことから「紅茶のシャンパン」と呼ばれています。

株式会社ネオマーケティングの調査によると、好きな紅茶の種類で男性から1位(52.8%)の評価を得ており、アールグレイと並んで知名度の高い銘柄です。

ダージリンは、インド北東部の高地にあるダージリン地方で収穫されます。同じダージリンでも、収穫時期によって茶葉の特徴は異なり、それぞれに相性のいい飲み方があります。たとえば、春に収穫される「ファーストフラッシュ」やもっとも質が高くなると言われる「セカンドフラッシュ」は、香りと甘みがあるためストレートで飲むのがおすすめ。10~11月の秋に収穫される「オータムナム」は味が強くなるためミルクティーにして楽しむのがおすすめです。

このように、ひとえにダージリンといっても、収穫時期によって茶葉の特徴は異なります。茶葉の特徴に合わせて飲み方を変えてみるのも、ダージリンの楽しみ方のひとつです。

ウバ(スリランカ)

世界三大銘茶の1つ「ウバ」は、スリランカのセイロン島南東部に位置するウバ地方で栽培されています。スリランカ産の紅茶は、旧国名の「セイロン」からセイロンティーとも呼ばれ、標高の高さで種類が異なります。中でも、ウバはもっとも高い標高で栽培された「ハイグロウンティー」に該当します。

ウバは、ミントのような爽快感のある香りが特徴の紅茶です。その個性的な香りから好き嫌いのわかれる種類ではありますが、メントール系の香り渋みや唯一無二の存在といえます。

ストレートティーで香りを楽しむ飲み方がおすすめですが、少しまろやかにしたい場合はミルクティーにするのもおすすめです。

また、ウバにはタンニンと呼ばれるポルフェノールの一種が含まれています。タンニンの影響で透明感が出にくくなるため、アイスティーを作る場合はホットから冷ますのではなく、水出しで作ることをおすすめします。

キームン(中国)

中国、安徽省祁門県で栽培されるキームン。キーマンやキーモンと呼ばれることもあり、ダージリン、ウバに並ぶ世界三大銘茶のひとつです。

日本ではあまり知られていませんが、まろやかな甘みとバラのような香りが特徴の茶葉で、ヨーロッパでは「中国茶のブルゴーニュ」と呼ばれるほど。特に、イギリスでは珍重されており、イギリス王室ではエリザベス女王の誕生日にキームンを飲むという伝説もあります。

質の高い香りのいい茶葉はストレートで、少しスモーキーな香りの茶葉はミルクティーで飲むと美味しく楽しめます。

【産地別】紅茶の種類と特徴

紅茶は栽培される産地によって香りや味わいが異なります。紅茶の産地として有名な国とそれぞれの特徴を以下の表にまとめました。

産地特徴代表的な銘柄
インド世界最大の紅茶生産国。茶葉の種類が豊富で、それぞれが個性的な味わいを持っている。・ダージリン(三大銘茶)
・アッサム
・ニルギリ
スリランカ色や香りに特徴のある茶葉が多く、インド紅茶に比べるとマイルドな味わい。・ウバ(三大銘茶)
・ヌワラエリア
・ディンブラ
中国独特な香りを持つ茶葉が多い。タンニンも少なく、アイスティーにおすすめの茶葉が多い。・キームン
・雲南
・ラプサンスーチョン
インドネシア・ケニア・イギリスなど・ジャワ
・スマトラ


それぞれの産地の特徴を詳しく紹介していきます。

紅茶の種類:インド

世界最大の紅茶生産国でもあるインド。北東部ではダージリンやアッサムなどの有名な茶葉が栽培され、南部ではニルギリなどの茶葉が栽培されています。

「紅茶のシャンパン」とも呼ばれるダージリンは日本でも人気の高い銘柄で、世界三大銘茶のひとつです。収穫時期によって香りや味わいが異なるため、時期に合わせた飲み方を楽しめるのがポイントです。

アッサムは、インド北東部に位置するアッサム州で栽培されています。コクのある甘みと独特な風味でインドでは「チャイ」などに使われることの多い茶葉です。ダージリンと同じようにアッサムにも茶葉のグレードがあります。

グレード特徴おすすめの飲み方
OP(オレンジ・ペコー)茶葉が大きく、まろやかな味わい。透明感のある深い赤色が特徴。・ストレート
・ミルク
BOP(ブロークン・オレンジ・ペコー)OPよりも細かいサイズの茶葉。スモーキーな香りとコクのある味わいが特徴。・ストレート
・ミルク


茶葉を購入する際は、グレードにも目を向けてみてはいかがでしょうか。

あまり聞き馴染がないかもしれませんが、インド紅茶にはニルギリという銘柄もあります。ニルギリは南インドに位置しており、すっきりとした香りで紅茶初心者の方にも飲みやすいのが特徴です。

ダージリンやアッサムをはじめ、インド紅茶はまろやかな味わいの銘柄が多く栽培されています。紅茶に興味がある方はぜひ一度手に取ってみてください。

紅茶の種類:スリランカ

スリランカの紅茶には、世界三大銘茶のひとつ「ウバ」をはじめ、ヌワラエリアやディンブラなどの銘柄が栽培されています。インド洋に浮かぶスリランカは、かつてセイロン島と呼ばれていたため、スリランカの紅茶は「セイロンティー」とも呼ばれています。

スリランカの茶園は標高差が大きく、栽培される場所によって紅茶の特徴が大きく異なります。たとえば、ウバはミントのような爽快感のある香りが特徴ですが、ヌワラエリアはフレッシュな渋みが特徴。また、ディンブラは上品な香りに軽やかな味わいが特徴です。

スリランカ紅茶(セイロンティー)は、インド紅茶に比べるとマイルドな味わいで、紅茶初心者の方でも飲みやすい銘柄が多く栽培されています。とくに、ディンブラは紅茶特有のクセがなく、ストレートやミルク、アイスティーなどさまざまな飲み方を楽しめるでしょう。

紅茶の種類:中国

独特な香りが特徴の銘柄が多い中国紅茶。中でも、キームンはダージリン・ウバと並んで世界三大銘茶とされています。

キームン以外の代表的な銘柄は雲南。中国茶(プーアール茶)の産地として有名な雲南省で栽培されており、スパイシーな香りが特徴です。個性的な香りのため、ストレートやミルクで飲むのがおすすめです。

紅茶の種類:その他の産地

紅茶は世界20数か国で生産されており、インド・スリランカ・中国以外では「インドネシア」「ケニア」などが有名です。

インドネシアは、第二次世界大戦まではインド・スリランカ(セイロン)と並んで紅茶の生産大国でした。第二次世界大戦によって茶園のほとんどがなくなってしまいましたが、近年ではジャワ島やスマトラ島を中心に生産量が増えてきています。

インドネシア紅茶は、色も明るくキレイで、香りもマイルドなものが多く栽培されています。スリランカ紅茶に似た印象ですが、少しコクは少ないためプレゼント用や紅茶初心者の方におすすめです。

また、インドネシア以外ではケニアが有名です。ケニアの紅茶生産が開始されたのは20世紀になってから。他国と比べると遅いですが、現在は紅茶生産量でスリランカを上回るなど、世界有数の紅茶大国になりつつあります。

ケニア紅茶の特徴は、スッキリとした渋みとフレッシュな香り。クセが少ないのでストレートやミルクはもちろんのこと、レモンティーやアイスティーなどでも楽しめます。

その他の紅茶の種類と特徴

紅茶と聞くと、ダージリンやアッサムなどの銘柄を思い浮かべるかもしれませんが、紅茶にはその他の楽しみ方もあります。たとえば、以下の3つ。

・複数の茶葉を組み合わせたブレンドティー
・茶葉に香りをつけたフレーバーティー
・ノンカフェインのルイボスティー


それぞれについて、詳しく紹介していきます。

複数の茶葉を組み合わせたブレンドティー

紅茶には、複数の茶葉を組み合わせて作るブレンドティーがあります。代表的なブレンドティーは、以下の3つ。

・イングリッシュ・ブレックファスト(アッサム・セイロン・ケニア)
・アフタヌーンティー(ダージリン・アッサムorセイロン)
・ロイヤルブレンド(ダージリンorアッサム・セイロン)


ブレンドティーにするメリットはいくつかあります。たとえば、渋みの強い茶葉とまろやかな茶葉を組み合わせることで飲みやすくする。香りの少ない茶葉に個性的な香りの茶葉を合わせて程よい香りにするなど。ブレンドティーは自分の好みに合わせて茶葉を作れます。

ブレンドティーは多くのメーカーやお店で販売されているので、何と何がブレンドされているのかチェックしてみてください。

茶葉に香りをつけたフレーバーティー

フレーバーティーとは、紅茶に果実や花、香料を加えたものです。代表的なフレーバーティーは以下のとおり。

・アールグレイ(ベルガモットの香り)
・ラプサンスーチョン(燃やした松の煙で香りづけ)
・アップルティー(アップルを加えた紅茶)
・ジャスミンティー(ジャスミンの花の香り)
・マサラチャイ(シナモンスパイスを加えた紅茶)


驚いた方も多いと思いますが、アールグレイは紅茶の銘柄ではなく、ベルガモットという柑橘系フルーツの香りを加えたフレーバーティーの一種です。日本では知名度の高い種類なので、お店などではダージリンやアッサムなどと並べられて販売されています。

ほかにも、中国のラプサンスーチョンは、紅茶に燃やした松の煙を使って香りづけしたもので、スモーキーな香りが特徴。アップルティーやジャスミンティーな名前のとおりで、フルーツや花を使って作られた紅茶です。

フレーバーティーは自分で作ることもできるので、好きな方は一度挑戦してみてはいかがでしょうか。

ノンカフェインのルイボスティー

日本でも人気の高いルイボスティーは、お茶の一種ですが、紅茶や緑茶などとは異なる飲み物と考えてよいでしょう。ルイボスティーは学名を「アスパラサス・リネアリス」といい、古くから南アフリカの先住民の間で親しまれていた飲み物です。今でも「奇跡のお茶」「不老長寿のお茶」として飲み続けられています。

ルイボスティー最大の特徴は「ノンカフェイン」であること。また、口当たりもいいことから、小さいお子さんはもちろん、妊娠中や授乳中の女性まで幅広く愛飲できます。

ほかにも、ポルフェノールやミネラルなど、体に良い成分が多く含まれているので、健康志向の方にもおすすめです。

まとめ

紅茶の種類はさまざまで、銘柄や茶葉のグレードによって香りや味わいが異なります。日本でも有名なダージリンは、ウバ・キームンと並んで世界三大銘茶とされており、やさしい渋みが特徴です。

紅茶の特徴によって、ストレート・ミルク・レモン・アイスなど、適した飲み方は変わってきます。紅茶を楽しみたい方は、茶葉にあった飲み方を試してみてください。

また、紅茶にはブレンドティーやフレーバーティーなどの種類もあります。紅茶初心者の方でも飲みやすくなっているので、興味がある方は一度飲んでみてください。

SHUN HONKE

編集者

SHUN HONKE

宮崎県で活動するクロッフル専門キッチンカーカフェ「kukuna coffee」オーナー。良いモノ・文化を地方の方にも知ってもらいたいという想いからキッチンカー事業をスタート。